漆の器
2008年 10月 30日
先週、ず~っと楽しみにしていた展示会に出掛けてきました。
仁城義勝さんの展示会です。
通常漆器の作家さんは
木地師さんに挽いてもらった土台となる木地に
漆を施していくのですが
仁城さんは、ちょっと違います。
木を一本そのまま買い付け
その木から一つ一つロクロで木地を挽き
漆を施します。
木の命を頂いて器を作るのだから、なるべく無駄のないように、木が生きるように・・・
そんな思いで作られる器は、うっすら木地の木目が感じられるくらい
ほんの数回の漆を施します。
目立たず、普段の暮らしに溶け込み、日常使いできる器・・・
彼の作る器は、そんな温かな器です。
今回購入したのは、大きな鉢(椀?)です。
お蕎麦やおうどん、スープや丼ものまで・・・
色々使えるでしょ♪
栃材と・・・
栗材です。
展示会初日に伺ったのですが、栃材の器(この大きさ)は
すでにこの1個だけになっていました。
昨年ご注文してお待ちしている方が沢山いらっしゃるんです。
という訳で、もう一点は栗材にしました。
こちらは、他の作家さんのものですが、普段使っているお椀です。
毎日使ってはキュッキュッっと拭きあげているので
こんなに艶が出てきました。
並べて見ると大きさの違いがわかるでしょ。
仁城さんは一年の半分(前半)は、木地を作り、漆を施し黙々と器を作り続けます。
後半は各地で展示会を行い器を販売するのです。
全て一人で作っているので、大量生産はできません。
だから昨年からず~っと彼の展示会を待っていたんです。
食事は、植物や動物の命をいただくということ・・・
その命を頂いて、人の心や体は作られる。
それらを繋ぎ、受ける器として物作りをしている・・・という仁城さん
私は物をあまり欲しいと思わない・・・
でも、その物の向こう側にある物語や
作り手の思いや、人柄に魅力を感じる・・・
何を買うか・・・
誰から買うか・・・
それが、私が物を買うときの基準になっているのだと思う
by tea-tea-chai
| 2008-10-30 10:57
| 思うこと