魔女
2007年 05月 29日

酔う・・・という感覚を、初めて知ったのは何時だっただろう・・・
手や足がズッシリと重たくなり、まるで水の中にいるみたいにバランスがとり難く、体が動かしにくい・・・。
頭の芯は冴えているのに、そのまわりを真綿で包まれているような感覚・・・。
その真綿のせいで、脳からの指令が届くのに時間がかかってしまう。
まわりで話している声も、話題もちゃんと分かっている・・・でもそれに応えようとすると、もう違う話に変わっている・・・。
だから、話を聞きながらニコニコ笑っているだけ・・・でも楽しい・・・・。

遠い昔・・・アクア・ヴィッテ(生命の水)と名付けられたスピリッツ。
それは、生命維持の薬だった。
更なる薬用効果を期待して、ハーブやスパイス、フルーツ、花や木の根などを加えリキュールが生まれた。
シャルトリューズ・ヴェール・・・私が好きなリキュールのひとつ。
トニックウォーターで割ってスライスしたライムを入れるのが好き。
シャルトリューズ修道院で作られる、130種類以上のハーブやスパイスなどを使って作られたリキュール。
作り方は門外不出・・・たった3名の修道士しか作り方を知らない。
不老長寿の薬として・・・様々な薬草を調合する姿は、魔女を連想させる。
子供のころ、魔女になりたかった。
部屋にあるクローゼットの中を秘密の魔法部屋にしていた。
小さなビンを並べたり、お菓子の飾りに使う小さな小さなチョコレートの粒粒や、銀色の仁丹のような砂糖菓子、オシロイバナの種などを、魔法に使う摩訶不思議な素材に見立ててしまっていた。
気が付いたら私は・・・魔女になっていた。
梅や、苺、柚子・・・季節の果物で薬酒を作っていた。

今日は、オレンジとミントをベースに、色々なハーブやスパイスを調合してお酒に漬けてみた。
目指すは、シャルトリューズ!

ベランダから摘んできたハーブを刻み鍋に入れる。
スパイスを調合してスマッシャーで砕き肉に混ぜ込む。
今日も私が魔法をかけた料理を食べる、誰かさんがいる・・・。
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by tea-tea-chai
| 2007-05-29 21:34
| 思うこと