時を経てもなお・・・
2007年 03月 19日
高価な物ではないけれど、大切にしている物がある。
ず~っと昔、煎茶道を習い始めたばかりの頃、煎茶用のお道具を捜していた。
その一滴に美味しさを凝縮させた、甘くてトロリとした濃厚なお茶の味は、小さな小さな、おままごとのような茶器で作られるのです。
小さな急須や、お猪口のような茶碗は、
今では中国茶用の茶器が多く出回っていて手に入りやすいが、当時はなかなか見つけられなかった。
高価なものは、デパートの「煎茶の世界」などの催し物で見つけることは出来たけど、当時の私には、とても手が出ない物だった。
この茶碗は、家の物置で見つけた茶碗。
ず~っと昔、父が仕事の関係で、京都のお茶屋さんから頂いたものらしい。
ちゃんと、宝瓶、茶碗、湯冷ましが揃っていた。
あれから、長い年月を経て、今も私の手元にある。
先日の「台湾紅茶」の時にも、このお茶碗も宝瓶も使った。
茶碗のひとつが少し欠けていたが、ギャラリーのオーナーさんが、「金つぎしてあげるから、置いてって」と言ってくれた。
新しく命が吹き込まれた、茶碗は、これからも、私の手元で時を過ごすだろう。
そして、時々教室の生徒さんに使ってもらえるだろう。
教室をしているギャラリーは、その建物が国の有形文化財になっている。
店内には、時を経た重みと、静かな時間が流れている。
こんな空間で、この茶器を使って、教室が出来ることをとても嬉しく思う.
ここでは、私も、この茶器も、アンティークと言われる物達も、
まだまだ、ほんの小さな子供のようだ・・・。
by tea-tea-chai
| 2007-03-19 22:31
| 古いもの